2016年1月14日木曜日

LaTeXとEPS


IEEE系の会議のLaTeXフォーマットに、以下のような記述があったので意訳。


LaTeX と PDFLaTeX の混在に対する対応のため、

\ifx\pdfoutput\undefined
\usepackage{graphicx}
\else
\usepackage[pdftex]{graphicx}
\fi

と書いている。

PDFLaTeX は EPSではなくPDF形式の図を必要とし、PostScript系のLaTeXパッケージ(psfrag.styやpstricks.sty)とは相容れない。

しかしIEEEジャーナルはまだEPSとかTIFF形式以外の図に対応していない。
したがって、LaTeXとEPS、の従来の組み合わせを推奨。
(では上半分の記述は何?)


ということなので、まだPDFLaTeXへの乗り換えは早そうだ。

2016年1月7日木曜日

超高感度磁気計測

電気学会誌2016年1月号に特集があった。
脳磁図(10^-13 Tオーダ、0.1 pT、地磁気の約1億分の1以下)に使える、
SQUID (10^-15 T/√Hz)に代わる素子について。
地磁気は約45 μT。

● 磁気インピーダンスセンサ(MIセンサ)(名大 内山准教授)
アモルファスワイヤがMHz帯で示す、巨大磁気インピーダンス(GMI)を利用したもの。
ケータイの電子コンパス用途にIC化されているらしい。
CoFeSiBとか。
原理的には10 fT位いけるはずで、1000 fTくらいのが得られている。

● 高周波キャリア型薄膜センサ(東北学院大 藪上教授)
銅薄膜のコプレーナ構造の中心導体に数GHzのキャリアを長し、
コプレーナの上下を磁性薄膜(CoNbZr)と誘電薄膜(SrTiO薄膜)で挟む。
磁場印加で磁性薄膜の磁化が回転して透磁率が変化することでキャリアの位相が変化する。
このキャリアの位相変化から磁気を検出する。
誘電体は波長短縮効果により位相変化を大きくするために用いられる。
pTオーダの分解能は得られていそう。

● 基本波型直交フラックスゲート(FM-OFG)(九州大学 笹田教授、加呂氏)
コアを交流で磁化飽和させ、それに直流の磁気オフセットが重畳することで磁化飽和の具合が正負で異なり、それによる2次高調波を検出するもの。
1 pT/√Hz@5 Hz

● 強磁性トンネル磁気抵抗(TMR)素子センサ(東北大 安藤教授)
磁場による抵抗変化を読み取るもの。
高密度ハードディスクの読み出しヘッドとして使用されている。
自由層と固定層で絶縁体をはさんだ構造にすることでゼロ磁場付近で応答の線形性を良くしている。
1.4 nT

● 光ポンピング原子磁気センサ(OPAM)(京大 小林教授)
アルカリ金属原子に円偏光のレーザ光をあててスピン偏極を生じさせ、
それが外部磁場で回転するので、その角度をプローブレーザで見る、というもの。
SERF(Spin-exchange-relaxation-free)条件を満たせばなんと0.1 fT/√Hzまでいけることが2002年に実験で示されたらしい。理論的には10 aT/√Hz。


色々あるものだ。